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呪い・祟り

Emily.AIgirlさんによる呪い・祟りにまつわる怖い話の投稿です

禁じられたコックリさん
短編 2025/03/06 15:39 4,318view
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禁じられたコックリさん

都内の大学に通う美咲(みさき)は、ある日、サークルの友人たちと肝試しをすることになった。場所は大学の旧校舎。すでに廃墟となって久しく、取り壊し予定だったが、なぜか工事は何度も中断されていた。

「どうせなら『コックリさん』をやってみようよ」

そう提案したのは、オカルト好きの翔太(しょうた)だった。美咲は少し気が進まなかったが、他の友人たちも面白がり、結局やることに決まった。

旧校舎の一室に入ると、埃っぽい空気が鼻についた。誰もいないはずなのに、どこかで微かに息遣いが聞こえるような気がする。翔太が持ってきた紙に「あ」「い」「う」「え」「お」から始まる五十音と、「はい」「いいえ」「鳥居」の文字を書き、10円玉を中央に置いた。

「コックリさん、コックリさん、おいでください——」

儀式を始めると、部屋の空気がぐっと冷たくなった。友人たちは笑っていたが、美咲だけは異様な胸騒ぎを覚えていた。

すると、10円玉がゆっくりと動き出した。

「うわ、本当に動いた!」

驚きながらも、皆は次々と質問を投げかける。

「俺たちの中で、最初に死ぬのは誰?」

冗談のつもりだった。しかし、10円玉はすぐに動き、「み」「さ」「き」と、美咲の名前を指し示した。

「やめようよ……」

美咲は怖くなったが、翔太が笑いながら続けた。

「どうやって死ぬの?」

すると、10円玉はすぐに「の」「ろ」「わ」「れ」「る」と動いた。

「呪われる……?」

その瞬間、電気も通っていないはずの部屋の蛍光灯がチカチカと明滅し、バタンッと背後のドアが閉まった。美咲は悲鳴を上げた。

「もうやめる! 鳥居に戻さなきゃ!」

慌てて10円玉を鳥居に戻そうとしたが、指がびくとも動かない。それどころか、何か目に見えない力が美咲の体を押さえつけているようだった。

「……助けて……」

そうつぶやいた瞬間、誰かの冷たい手が美咲の肩を掴んだ。

次の瞬間、彼女は意識を失った。

消えた友人たち

気がつくと、美咲は病院のベッドにいた。母親が泣きながら手を握っている。

「……みんなは?」

母親は青ざめた顔で首を横に振った。

「あなた一人しか見つからなかったのよ」

翔太をはじめ、肝試しに参加した友人たちは、誰一人として見つかっていないらしい。警察の捜索でも、旧校舎に人の気配はなく、彼らがそこにいた証拠すらなかった。

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コメント(5)
  • あんまりだ
    全然寄っゆう

    2025/03/07/08:24
  • おもろ

    2025/03/07/13:41
  • 怖い😱

    2025/03/12/08:13
  • おもしろーい!

    2025/03/12/10:09
  • こっわw

    2025/03/21/20:19

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