裏拍手

裏拍手。
死んでいる人がするといわれている拍手です。
よく道で男の人が笑いながらやっているのを見ますが…
面白半分でやるものでもありません。
どうなってもいいという覚悟のある人だけ、どうぞ…

８月中旬。
夏休み残り半分になりました。
今日の分の宿題をやっていると、
ぴろーん♪
携帯の着信が鳴りました。

『今日の３時から來未公園（仮名）で遊べる？』
友達の董からです。
『別にいいけど何？』
『いやちょっと…小６の時に流行った怪談がホントかやってみたくて』
小６の時に流行った怪談…
裏拍手を666回したらひいおばあちゃんとかのご先祖さんが目の前に現れて、あの世に連れていかれるっていう噂。
清ちゃんのこともあったし、私は『やめとこうよ。666って悪魔の数字だし』
と返信しました。
『いーじゃん。やるのは私だから、美智（仮名）はだいじょーぶだと思うし』

３時前。

ピーンポーン♪
「美智ぃお友達よぉ」
私はそのまま董に引っ張られるように來未公園に連れていかれました。
「じゃあ行くよ。１，２，３，４，５，６…」
　１５分後
「664,665,666！」
「董？」
董は金縛りにあったかのように、ピクリとも動きません。
私が心配そうに見ていると、董の唇がかすかに動きました。
すると、ふっと消えたのです。
私は怖くなって逃げだしました。